令和7年秋期試験問題 午前Ⅰ 問17
問17解説へ
委託元への著作権の移転に関する条項を含むソフトウェア開発委託契約書に,"委託先は著作者人格権を行使しない"という記載があった。これはどのような問題の発生を防ぐためのものか。
- 委託先で当該ソフトウェアを開発した開発者が,技術者倫理に関しての責任を負わなくなることを防ぐ。
- 委託先で当該ソフトウェアを開発した開発者を,委託元が後で雇用できなくなることを防ぐ。
- 納品されたソフトウェアに不具合が発見された場合に,委託先が金銭的補償を負わなくなることを防ぐ。
- 納品されたソフトウェアを委託先の了解なく委託元で修正できなくなること,又は他の会社に修正を依頼できなくなることを防ぐ。
正解 エ問題へ
分野 :テクノロジ系
中分類:ソフトウェア開発管理技術
小分類:知的財産適用管理
中分類:ソフトウェア開発管理技術
小分類:知的財産適用管理
広告
解説
著作者人格権は、著作権とは別に、著作物を創作した著作者自身に与えられる権利であり、公表権、氏名表示権、同一性保持権の3つで構成されます。
契約で著作権を譲渡すると定めていても、著作者人格権について何も決めていなければ、著作者が「公表しない」「名前を出してほしい」「勝手に変更するな」と主張した場合、それに従わなければなりません。このようなトラブルを未然に防ぐため、物の引渡しを伴う請負契約では、著作権の譲渡特約とともに「著作者人格権を行使しない」とする不行使条項を入れておくのが一般的です。"譲渡"が認められていないため、"不行使"という約定で調整する形です。
したがって適切な目的は「エ」です。
- 公表権
- 著作物を公表するかどうかを決定できる権利
- 氏名表示権
- 著作物の公表に際して、著作者名を表示するかどうかを決定できる権利
- 同一性保持権
- 著作者の意に反して著作物の内容や題名を変更されない権利
契約で著作権を譲渡すると定めていても、著作者人格権について何も決めていなければ、著作者が「公表しない」「名前を出してほしい」「勝手に変更するな」と主張した場合、それに従わなければなりません。このようなトラブルを未然に防ぐため、物の引渡しを伴う請負契約では、著作権の譲渡特約とともに「著作者人格権を行使しない」とする不行使条項を入れておくのが一般的です。"譲渡"が認められていないため、"不行使"という約定で調整する形です。
したがって適切な目的は「エ」です。
広告