情報処理安全確保支援士令和7年秋期 午前Ⅱ 問3

問3

PQC(Post-Quantum Cryptography)はどれか。
  • 量子コンピュータを使うことによって,従来のコンピュータを使うときと比べて暗号化の処理速度を飛躍的に向上させることができる暗号技術
  • 量子コンピュータを使うことによっても従来のコンピュータを使うことによっても,暗号化の処理に掛かる処理時間を一定にできる暗号技術
  • 量子コンピュータを使った攻撃では,従来のコンピュータを使った攻撃と比べて解読時間が大幅に短くなる可能性のある暗号技術
  • 量子コンピュータを使った攻撃に対しても従来のコンピュータを使って安全性を確保できる暗号技術

分類 :

テクノロジ系 » セキュリティ » 情報セキュリティ

正解 :

解説 :

Post-Quantumとは、量子コンピュータ実現後の世界のことを示しています。現代において基礎技術となっている公開鍵暗号では、素因数分解や離散対数問題を解く際に天文学的な計算量を要することを安全性の根拠としていますが、量子コンピュータが実現するとこれらが効率的に解けるようになってしまいます。

PQC(Post-Quantum Cryptography:耐量子暗号)は、量子コンピュータによる解読に対しても耐性をもつ暗号化方式を指します。量子コンピュータの登場を見据えて開発が進められています。

したがって「エ」が適切な記述です。
  • 量子計算で暗号処理を速くする技術のことではありません。
  • 処理時間を一定にするという考え方は、サイドチャネル攻撃への対策に関するものであり、PQCの説明ではありません。
  • 既存のRSA暗号などの危殆化に関する記述であり、PQCの説明ではありません。
  • 正しい。PQCの説明です。

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