情報セキュリティスペシャリスト平成24年春期 午前Ⅱ 問23

問23

開発した製品で利用している新規技術に関して特許の出願を行った。日本において特許権の取得ができないものはどれか。他に必要とされる要件は満たしているものとする。
  • 学会で技術内容を発表した日から11か月目に出願した。
  • 顧客と守秘義務の確認を取った上で技術内容を説明した後,製品発表前に出願した。
  • 製品を使用した暗号の生成式を出願した。
  • 製品を販売した後に出願した。
  • [出題歴]
  • 情報セキュリティ H21秋期 問23

分類

テクノロジ系 » ソフトウェア開発管理技術 » 知的財産適用管理

正解

解説

特許法29条によれば、以下の発明は新規性がないとして特許を受けることができません。
  1. 特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明
  2. 特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明
  3. 特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明
  4. 特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が上記(1)~(3)に掲げる発明に基いて容易に発明をすることができた発明
  • 日本の特許制度においては、特許出願より前に公開された発明は原則として特許を受けることはできません。しかし、公知・実施された発明であっても、その公知・実施された日から1年以内であれば所定の書面を提出することで特許出願が可能です(30条2項)。本ケースでは公表した日から11か月での出願ですので、特許を受けることができます。
  • 発明は公知されておらず、その技術を用いた製品発表前であるため特許の要件を満たしています。
  • 正しい。特許の対象は自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものです(2条)。したがって、金融保険制度・課税方法などの人為的な取り決めや計算方法・暗号など、自然法則の利用がないものは特許を受けることができません。
  • 製品販売のように、特許を受ける権利を有する者の行為に起因して公知・実施に至った場合でも、その公知・実施された日から1年以内であれば所定の書面を提出することで特許出願が可能です(30条2項)。
※本問については法改正により新規性喪失の例外が広がり、特許出願できる範囲が増えたことを受け、問題文を「取得が可能なものはどれか」から「取得ができないものはどれか」に改題してあります。
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